1日外出録ハンチョウ6巻の感想と面白さの分析

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連載中の好きな漫画の1つ、1日外出録ハンチョウ 六巻を購入した。全巻購入しています笑

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最近は第一巻の頃のテーマの主旨とは少しずれてきているように感じてはいるんだけど、大人の男についての「あるある」については変わらず絶妙に抑えている。

第一巻の頃の印象

ええと、第一巻の頃はどちらかというと清野とおるの「ゴハンスキー」や「その「おこだわり」、俺にもくれよ!!」的な食に対してのこだわり、こだわってる内容については理解できないこともあるけど、少なからず「こだわることに対して」の共感で面白さを感じさせるような漫画だと思っていた。

それは孤独のグルメが好きな人はよく分かると思うし、大体の大人、特に2ch世代の人は好きなんじゃないかな。

何故だかわからないけど、ビジネスホテルに泊まるのが好き。ビジネスホテルで普段見ないバラエティやコンビニ漫画を読みながらスナック菓子 & お酒を飲むのが好き。のような共感覚も同種だと思う。

ただ清野とおるとハンチョウの表現が違うところは、清野とおるはどちらかというと、恥をかなぐり捨ててこだわりを追求することに対して、ハンチョウはある種の見栄を張る(笑) 

それは、サラリーマンのランチタイムで敢えて上等なスーツを着てビールを煽るといったようなことであったりするんだけど、その見栄の心理って自分みたいな底辺の人にはよくわかって、自分の力や実績じゃなく、人脈(といっても一度名刺交換しただけ)や取引先の会社名でアピールするようなハリボテのような見栄なんだよね。それは「上等なスーツを着る」という行為でよく表現されていると思う。

同種の心理で駅前で通勤中のサラリーマンを見ながら綺麗目カジュアルな服装でMacBook&カフェタイムという景色もあると思う。2chなんかのネタでよく見るフレーズだよね。

そういうハンチョウの見栄と地下の労働環境とはマッチしない上流思考なこだわりが合わさったところがまた魅力だった。

最近のハンチョウ

じゃあ、最近のハンチョウは?というと、「大人の男の恥ずかしい部分」というのは変わらず表現しているんだけど、初期の頃の底辺心理じゃなくて、もう少し広い範囲の「あるある」に変化していったように感じるんだよね。

例えば、自分の得意とする領域に入ってきた自分より知識量が少ない人間を「にわか」といって揶揄する人がいる。これはハンチョウ内では漫画好きが自称漫画好きと会話した時に某有名漫画の話しをされたら萎える的な表現で描写されていたんだけど、これって社会生活をしていてよくある「あるある」だと思っている。

ネット上でも「にわか」として揶揄する表現はよく目にするし、僕がいたIT業界でも技術知識の議論ではく無知な人に対してマウント取ったり、レスバしたりしてるのをたまに見かけた。

今回のハンチョウの表現には2通りの見解ができると思っていて、1つは「"これだからにわかは(笑) にわか乙。"わかるわかる」っていう見解ともう1つは「"にわかを馬鹿にする俺かっこいい"を見て、また見栄張っている(笑)」と捉えるかだと思った。

これは捉え方は人それぞれだし、作者はどういう意図で描いたかはもちろん分からないんだけど、僕は後者じゃないのかな、なんて思ったりした。こういう強者に対してのアンチテーゼ好きそうだしね。

あと、初期の頃と変わったことといえば、やっぱりある種のエモさを出してきているな。と思っている。正直このエッセンスは賛否が別れるところだと思う。

象徴的だったのは、昔の恋人の名前を検索エンジンで検索するといったような行為で、まあ、これ自分もやるしやったことある人いっぱいいると思うんだけど、人の思い出って一番、叙情的な部分があるとこでそこを感慨深く描いてきた。あれだよね、映画「ソーシャルネットワーク」のラストシーンを思いだすよね。

その他にもそういうエモさ的なものが見え隠れして、少し変わってきたな。とは感じていたりする。

とはいっても、「にわか」に対しての揶揄であったり、「昔の恋人の名前を調べる」といった行為は「大人の男の恥ずかしい部分」を表現できる立派な描写だよね。と思った。