東京トイボックスと俺の仕事観

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  • Yoshiko Ichikawa
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久しぶりに読んだので思ったことをダラダラと書いていく。

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弱小ゲーム開発会社の侘び寂びを描いたこの漫画は、自分の仕事観というか、学生時代に思い描いていた「こういう職場で働きたい」という環境そのものが出てくる漫画だった。

その思いが生まれたのは多分、学生時代に読んだツルモク独身寮やリビングゲームのような漫画に影響されたんだと思う。

狭いコミュニティの中で何か夢を持って日々目の前のタスクをこなしていく。時には多忙で徹夜もあるが、文句を言いながらも仲間達と達成した時は喜びも一入だ。

もちろん給料は安くて不満はあるのだが、給料は働く上で重要なファクターではない。コミュニティの信頼関係が一番働く上でのモチベーションになると感じていた。

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といったような、社会の片隅で細々と社会活動を続けるといった生活にぼんやりと憧れを持っていた。20年ほど前のテレビドラマ、長瀬智也と中谷美紀が出演していた「Days」も全く似たような職場コミュニティで毎週楽しみに見ていたのを覚えている。

思えば、幼稚園の頃の卒業文集に将来の夢を一言書いたのだが、まわりの学友は「バスケットボールの選手」や「飛行機のパイロット」と書く中、私と仲の良かった友人は2人で示し合わせて「おもちゃ屋さんになりたい」と書いていた。

丁度、初代ファミコンが流行り始めた頃でこのような夢を描いたんだろう。

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友人は「おもちゃ屋さんになりたい」とはっきり経営者としての夢を描いていたのだが、私はというと「おもちゃ屋さんでアルバイトしたい」と訳のわからんことを書いていた。この当時からとても思慮が浅かったのだろう。アルバイトが何なのかもわかっておらず後先考えずに書いていた。

きちんと「おもちゃ屋さんになりたい」と夢を描いた友人は将来トップ私学に入学し、野村グループのどこかに入社した。

そんなこともあり、ゲームの開発現場で且つマンションコミュニティの東京トイボックスに自分の思い描いた職場環境を投影していたのだった。

私がプログラマになって初めて入社した会社がまさにこういう会社だった。と最初は思った。

渋谷の小さいマンションの1室で昼夜問わず納期に間に合わすためにコードを書いていた。大変だったが自分の仕事観と合っていたので自然と「社会の片隅でがんばってる俺、素敵(笑)」などと阿保みたいな欲求が満たされていた。

喜びも束の間、結局ただの人売りSESで、経歴書を改竄、月給の4倍ほどの単価で売られた後は、長時間労働の末、自分の手元に入ってくる金は「おもちゃ屋さんのアルバイト」より安い給与だったので、すぐに愛想をつかした。

次に入社したのはマンションから始まったスタートアップだった。が、こちらはお金を集めることに長けた経営者だったので、そういった狭いコミュニティ感覚といったものはあまり感じなかった。

今度は私自身、20年前に思い描いた環境を自分で作ってみようかと考えている。幸いにも少しのプログラミングは出来るし、コードを書くだけならPC一台あれば他の設備はあまり必要ない。憧れを抱いたあの環境を私自身が作って身を投じたい。

学生時代のあの当時、まじめに働けば幸せになれる。と思い続けていた。今は社畜根性丸出しのこの考えは古くなった。

そういう気持ちを「悪意なく」利用しようとする会社は確かに存在して容赦なく使用して来ようとする。悪意がないだけに余計に性質が悪いなあと感じている。

また、twitter上では人売りと人売られで語られる、「働く」ことの価値観は当時の私の考えを見つめ直す良いきっかけを与えてくれる。